~その解決策を公的中核病院での成功例からの紹介~
導入の背景
システム入れ替えにあたっては、やはりデータの継承をどうするのかというのはかなり大きな問題でした。このことは、電子カルテのシステム入れ替えを検討している医療機関にとって、非常に大きなテーマになるのではないでしょうか。逆に言えば、データ継承の問題をクリアできないがために、同じメーカーのシステムを使わざるを得ない医療機関も多いのではないかと想像しています。
実際に他の医療機関ではどのような対策をしているのかという事例の情報調査を行いましたが、やはり多くの医療機関では旧ベンダーのサーバーを残すという形をとっていらっしゃるようでした。 旧カルテ情報をビューアを使って閲覧できる仕組みはあったのですが、これも原本かと言われると、やはり原本ではないという点が課題になると思っています。旧電子カルテの情報を原本として保管・管理したいのであれば、それに耐えうる仕組みのシステムを導入する必要があるのではないかと思っていました。
導入の決め手
システム化するのであれば、必要な情報は電子カルテからアクセスできる状態にしておくのが最適な対応になりますので、今回は「カルテ原本担保サービス」を活用し、旧システムデータをPDFに書き出して新システム側から閲覧できるように組み立てました。
「カルテ原本担保サービス」は、厚生労働省のガイドラインに準拠する第三者認証が可能なので、特に公立病院にとってはありがたい仕組みと思います。そのため、「みなし原本」という形ではなく、カルテ原本担保サービスを使ってPDF化したデータを「原本」とする形が取れるので、病院様が安心して旧電子カルテデータを保管・管理できます。
(導入ベンダー様)
利用方法
PDFデータは、京葉電子工業さんから患者IDや文書の種類が分かるような形でファイル化してもらっており、そのデータを文書管理システム側でIDや番号を基にして取り込み、患者様と文書種別ごとで分類をしています。カルテ記事に関しては、ひとつのPDFファイルになっているので、若干見にくい面はありますが、日別にファイルが増えていくよりは運用しやすいかなと思っています。
(情報管理部 SE様)
◎医療機関様情報
長野県北部、須高地域(須坂市・小布施町・高山村)の基幹病院として
急性期医療を主軸に回復後、退院支援、さらに検診や訪問診療、産科医療
まで総合的医療を展開している。
診療科 | ・内科・脳神経内科・呼吸器-感染症内科・循環器内科・血液内科・腎臓内科・糖尿病内科・肝臓内科・小児科 ・皮膚科・泌尿器科・産婦人科・眼科・耳鼻咽喉科・リハビリテーション科・麻酔科・病理-臨床検査科 ・精神科・遺伝子検査科・外科・整形外科・形成外科・脳神経外科・呼吸器外科・血管外科 |
設立 | 1948年6月(昭和23年) |
場所 | 長野県須坂市須坂 |
導入時期 | 2020年12月(令和2年) |
導入後の感想
(院内システムにPDF化されたデータを利用)
操作方法を覚える必要はありますが、スタッフも取り出すことに関してそれほどストレスを感じていないかと思います。それよりも、過去のデータが安定して保管されているということが明らかに分かっているという事実が一番のメリットですね。
(病院様)
導入までの旧電子カルテPDF化スケジュール
- 環境準備
作業端末用意
通信環境用意 - PDF化作業開始
- PDF化ファイルの加工
- 電子署名・タイムスタンプ
- PDF化ファイルを他社形式に変換
- 作業報告書及び成果物納品
- 他社形式ファイルの納品
当社担当者より
この度は当社サービス「原本担保サービス」を導入頂きありがとうございました。
通常のサービスに加え、病院様システムへの変換等お時間を頂きました。
特に今回導入ベンダー様にも理解頂き、情報管理部 SE様の協力のもとチームとして作業に臨む事が出来ました。
当社を選定して頂き、ありがとうございました。